マギー・ウィーラー(Maggie Wheeler)
ジャニスといえばジョプリンでなく、『フレンズ』のあのジャニスの方を思い浮かべるあなたは、立派なアメリカン・シットコム・マニアだ。鼻にかかったニューヨーク訛り(攻撃的で早口な英語)でまくしたて、チャンドラーを始めとする『フレンズ』の主要キャラ全員から嫌われてもまったく懲りずに、変な声で笑い続けるKYなジャニス。そんなウザい彼女に最初はイライラさせられたが、シーズンが進むごとに笑わされ、そのうち愛すべきものへと昇華して、いつしかファンになってしまった人も少なくないはず。これはジャニスを演じた女優マギー・ウィーラーのコメディ的演技力の高さと、彼女の天性のチャームにおうところが大きい。ジャニスの決め台詞「オー、(ためて)マイ、(ためてためて)ガーッド!」(吹き替え版では、『ヤダ、ウソ、マジ!?』)にムカつきながらも、ついつい合唱してしまうのだ。
マギー・ウィーラーはそもそも、モニカ役のオーディションを受けたが採用されず、その代わりといってはなんだが、頻繁に登場する脇役の中では一番キョーレツで笑えるおいしい役をもらったという経緯がある。また、人気シットコム『ヘイ! レイモンド』でも、デブラ役のオーディションを受けて逃したものの、プロデューサーに気に入られて時々出演するサブキャラのリンダ役をゲット。リンダはレイモンドとデブラの仲の良い友達だが、バローン家の主要キャラが皆そろいもそろってアクが強すぎることもあり、あまり存在感がなかったのが残念。
上記の2作品がマギー・ウィーラーのキャリアの中で一番知られるところだが、俳優として活動開始したのは80年代初期から。TVのカートゥーン番組(アニメ)で声優を始めて、シットコムやインディペンデント映画でも仕事するようになり、1992年には『となりのサインフェルド』で、エレインの友人としてジョージとブラインドデートをする役でゲスト出演を果たした。近年はメジャーなドラマやシットコムにゲストで登場したり、TVアニメや映画『バービーの白鳥の湖』などの声の出演をしたりしているが、なかなか印象に残るような役はない。ちょっと面長だが、美人でスタイルもよく、シンガーで歌もうまいマギー姉さん。ここらでまた一発、ジャニスを凌ぐ強力なキャラで、お茶の間を笑かしてほしいと切に願う。
私生活では現在の夫ダニエル・ウィーラー(アーティスト)と結婚する前に、インディ映画『The New Year’s Day』で共演したデヴィッド・ドゥカヴニー(『Xファイル』でも共演。『カリフォルニケーション』)と長年つき合っていた。
また、ティーンエイジャーのときにチンパンジーのベビーシッターをしていたこともあり、チンパンジーとイルカの鳴きまねが得意だというから、侮れない。
●マギー・ウィーラーのプロフィール
1961年8月7日米国ニューヨーク市生まれ
◯役柄イメージ:80年代的派手なファッションセンスを持ち、空気を読まず、人から嫌われても全然気にならない神経のずぶとい女。
◯マギー・ウィーラーとかぶる俳優(有名人):リサ・エデルシュタイン、フラン・ドレッシャー(ジャニス役のとき)、エイミー・ワインハウス(シンガーだが、ルックスがジャニスにクリソツ)
◯主な作品
TVドラマ
『FBI失踪者を追え』(2009)
『How I Met Your Mother』(2007)
『The War at Home』(2007)
『ER緊急救命室』(2006)
『ファット・アクトレス』(2005)
『Friday Night Lights』(2006)
『CSI科学捜査班』(2003)
『ふたりは友達? ウィル&グレイス』(2002)
『ヘイ! レイモンド』(1996~2004) リンダ
『フレンズ』(1994~2004) ジャニス
『Ellen』(1994~1996)
『Xファイル』(1994)
『となりのサインフェルド』(1992) シンシア
『L.A.ロー 七人の弁護士』(1990)
『The New Show』(1984)
映画
『バービーの白鳥の湖』(2003) 声の出演
『ファミリー・ゲーム/双子の天使』(1998)
『New Year’s Day』(1989)
ライタープロフィール

ほりうちあつこ
ニューヨーク在住のフォトグラファー/ライター。渡米してアメリカのTVドラマのクオリティの高さに驚き、気がつけば10年。ドラマとシットコムは、自分にとってエンタテイメントであると同時に強力な英語のチューターでもある。お気に入りは『シックス・フィート・アンダー』『ダメージ』『ビッグバン★セオリー』。
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