« ランス・レディック (Lance Reddick) | トップページ | ジェーン・リンチ(Jane Lynch) »

2010.04.21

プロデューサーに聞く! ドラメディ『弁護士イーライのふしぎな日常』に宿る「心と命」とは…

『弁護士イーライのふしぎな日常』は、大企業の手先として弱い者イジメに徹し、出世街道をまっしぐらに走っていた弁護士が、死に直面して初めて生きることを学ぶファンタジー法廷ドラメディ。摘出不能の脳動脈瘤が原因で、幻覚症状を訴えるイーライ・ストーン(ジョニー・リー・ミラー)。そんなイーライに鍼術療法を施すドクター・チェン(ジェームス・サイトウ)の口から飛び出した言葉は「預言者ではないか?」。幻覚症状は神の啓示で、イーライの奇行が最終的には世のため人のために繋がるというドクター・チェンの解釈である。アルコール依存症と相手にもしなかった父親の奇怪な行動も、実は動脈瘤が原因だったのでは?と疑い始め、立身出世だけが目標だったイーライの人助けの旅が始まる。
『エバーウッド 遥かなるコロラド』『ブラザーズ&シスターズ』の製作でお馴染みのグレッグ・バーランティが、マーク・グーゲンハイムと共同創作したユーモアたっぷりの笑えて泣ける作品だ。バーランティの創作なら絶対に「心と命」が息づいているに違いない!と観始めたが、パイロット版から予想を遥かに越える味わい深いドラマに仕上がっていて、すっかりハマってしまった。

バーランティ・ファンとして、創作の意図を追求せねば!と早速、バーランティにインタビューを試みた。
「人生の岐路といえる30歳そこそこの世代を描きたかったのと、昔、映画の企画として預言者の再来を練ったことがあったので、二要素を合わせて作品にしました。もちろん、他の作品でもテーマにした自分探しの旅や、新しい事を学習して大人に成長する新しい自分に生まれ変わる等の要素が一杯詰まっています。米国では、生と死はともすると宗教の討論になりがちですが、科学では説明のつかない体験を通して、人間とは何か、この世での体験の意味は?等、生きる意味を考えてみたいと思いました。イーライの目を通して見たら世界はどう見えるのか?イーライの生きる目的は何なのかを追求して行きます」と語ってくれた。
生きる意味を紐解こうとするイーライの唯一の理解者で、真理を語り、知恵を授ける賢人、東洋思想を代表するドクター・チェンが、日本人でなくて残念だ。
「見た目と中味が全く違うキャラが欲しくて、ドクター・チェンが生まれました。サンフランシスコにはアジア系アメリカ人が沢山いるので、イーライの近代的な師は中国+ユダヤ系になったという訳です」と笑うバーランティ。日本人役を中国、韓国系アメリカ人が演じることに常に不満を抱いている私。ドクター・チェンは中国+ユダヤ系アメリカ人の役どころで、演じるサイトウは日系3世とは…何と皮肉なことか!

バーランティの作品には、常に「心と命」が宿っている。ハチャメチャを描きながらも、必ず人間の行動が周囲に投げかける波紋や因果応報を巧みに表現する、繊細かつ骨のあるクリエイター。イーライと見た目「駄目親爺」との関係は、特に山場に盛り込まれており、シリーズ後半では父=神を示唆する場面まで登場する。
「この手の番組は滅多に製作されないし、あっても単純で、甘ったるいものになりがちなので、ちょっと辛口にしています」と本作のカラーについて語るバーランティ。最近、『アリーmyラブ』のシーズン2のDVDを観る機会があった。『弁護士イーライのふしぎな日常』のプロモに『アリーmyラブ』の男版という下りがあり、半信半疑だった記憶がある。しかし、10年振りに数話を観ていると、「なるほど、男版と言われても仕方がないな」と思うほど、歌あり踊りあり、妄想や相談事の内容までよく似ていて驚いた。弁護士として、危なっかしい点も同じだ。『アリーmyラブ』の根強いファンがいる日本では、『アリーmyラブ』の男版と定義するのは決して悪いことではないのかもしれない。

『弁護士イーライのふしぎな日常』
(原題:ELI STONE)AXNにて日本独占初放送!
・放送予定:【字幕版】4月11日(日)スタート 毎週日曜日  21:00~21:55他
         【吹替版】4月12日(月)スタート 毎週月曜日  22:00~23:00他
(C) ABC Studios


<関連記事>
打ち切り決定ドラマ、筋はこうなる予定だった!
ABCの法廷ドラマに、大物スターがゲスト出演
新シーズン開幕、注目番組の紹介イベント開催
『FBI 失踪者を追え!』などが打ち切りに!?

ライタープロフィール

Meg Mimura

Meg Mimura
Television Critics Association (TCA)プレスツアーに会員として参加する唯一の日本人。ATAS会員。心の糸に触れた作品、目からウロコを体験させてくれる放送作家、元気をくれる俳 優等を紹介するのが生き甲斐のテレビ評論家。テレビのメッカでテレビへの熱い想いと畏敬の念を燃やし、「わくわく、いきいき、にこにこ」と生きています。 最新のモットー「Leap! And the net will appear.」は『名探偵モンク』から学びました。

« ランス・レディック (Lance Reddick) | トップページ | ジェーン・リンチ(Jane Lynch) »

海外ドラマを100倍楽しもう!」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« ランス・レディック (Lance Reddick) | トップページ | ジェーン・リンチ(Jane Lynch) »

DVDリスト

  • 『24 -TWENTY FOUR- ファイナル・シーズン』
  • 『フレンズ<ファースト・シーズン>』
  • 『プリズン・ブレイク シーズン1』
  • 『BONES -骨は語る- シ-ズン3』
  • 『Dr. HOUSE/ドクター・ハウス シーズン4』