« 『刑事ナッシュ・ブリッジス』 | トップページ | CM出演は、俳優にとってプラスなのか、マイナスなのか!? »

2009.08.31

欧米のテレビ番組で活躍する日本人司会者たち

最近、欧米のテレビで、バラエティ番組の司会を務める日本人を見かけるようになった。最も有名なのは、米ABC局で2008年から放送されているリアリティ番組『I Survived a Japanese Game Show 』に登場する、神田瀧夢(かんだ・ろむ)だろう。
同番組は、アメリカ人が架空の日本のゲーム番組『本気(まじ)で』に出演し、優勝賞金25万ドルをかけて争う模様を見せるリアリティショー。出演する素人アメリカ人たちは、氷の浮いた水槽の中に頭を突っ込んで中に浮いている魚を口で捕まえるなど、日本の芸人顔負けの身体を張ったゲームに参加、負けると罰ゲームをさせられる。「日本の番組をたくさん見て研究した」とプロデューサーが語る同番組で、神田は日本人として初めて米メジャーネットワークのテレビ番組の司会者に抜擢された。
大阪で生まれ育った神田は、空手や剣道、居合道といった武道のほか、能や狂言、日本舞踊などの伝統芸能を日本で習得した後、国際的俳優を志して1997年に渡米。同地ではスタンダップ・コメディにも挑戦して芸の幅を広げ、その経験を活かしたハイテンションなノリで人気を博し、彼が独特のポーズと共にさけぶ合い言葉「エブリバディ、は~い、マジでー!」は番組のトレードマークともなっている。

また、同番組のフォーマットはヨーロッパにも輸出され、欧州独自の番組が制作されている。同番組のスウェーデン版『Big In Japan』では、ニューヨークを拠点に俳優や殺陣師として活躍する日本人タレント、ヨシ天尾が司会を担当。
大阪生まれで奈良育ちの天尾は、日本ではIBMコンピュータの営業マンとして働く傍ら、毎日放送でラジオのパーソナリティを務めていた。1990年にニューヨークに移住した後は、俳優や声優のほか、各種イベントの司会をこなし、殺陣のパフォーマンス・チームを結成。2004年には、NBC局の人気トーク番組『Late Night with Conan O’brien』にも出演し、その殺陣の腕前を披露した。

そんな中、ひときわ異彩を放っているのが、米MTVネットワークが主宰する お笑い系サイトatom.comの中のショートビデオ・シリーズ『American English with Jimmy T 』だ。
日本人ホストであるジミーTが、アメリカ英語を学ぶ日本人のために、米国人がふだん使っている生の英語を教えるという設定のショートコントで、ジミーTがマイクを持ち、道行くニューヨーカーたちに英単語の意味を尋ねていくのだが、その単語が「DOUCHEBAG(クソ馬鹿野郎)」や「COUGAR(年増エロ女)」といったスラングばかり。これまでアメリカンコメディの世界では、せいぜい揶揄されて笑われるのが関の山だった日本人が、逆にNYのアメリカ人をいじって笑わせるという、新しいアプローチが試みられている。業界内でも好評を得ているこのシリーズで、主役のジミーT役に抜擢されたのは、NY在住の日本人コメディアンRio Koike(小池良介)。今もnew york comedy clubHA! comedy club
といったコメディクラブの舞台に毎週立つ、現役のスタンダップ・コメディアンだ。
小池は愛知県で生まれ育ち、関西大学入学と同時に社交ダンスを始め、全日本学生ダンス選手権大会で準優勝を果たす。大学卒業後はプロに転向し、1993年に世界一の社交ダンサーを目指して渡米。しかしNYでスタンダップ・コメディに出会い、方向転換。オーバーアクションなコメディアンが多い中、やる気なさげにボソボソと語る独自のスタイルで爆笑を取って人気を獲得し、2003年にはNBCのリアリティ番組『Last Comic Standing』に出演。いわば『アメリカン・アイドル』のスタンダップ・コメディ版ともいえる同番組で、小池は全米でも選り抜きのコメディアン達を相手に準決勝まで勝ち進み、その実力を証明した。『American English with Jimmy T』においても、無表情で淡々とアメリカ人に無礼なことを言い放つ彼の演技スタイルが、作品の面白さに大きく貢献していることは疑いようがない。
スポーツ界に続いて欧米のテレビ界でも、日本人の活躍が楽しみになってきた。

ライタープロフィール

南雲祐輔

南雲祐輔
NYに移住して15年、テレビ業界12年のリサーチャー兼ライター。『Cheers』『隣のサインフェルド』のよう な往年のシットコムから、『ザ・プラクティス』『シックス・フィート・アンダー』といった近年のシリアスドラマ、『LOST』『HEROES/ヒーロー ズ』のような最近のSFサスペンスに至るまで、何でもよく噛んでおいしく食べる良い子です。どぞヨロシク。

« 『刑事ナッシュ・ブリッジス』 | トップページ | CM出演は、俳優にとってプラスなのか、マイナスなのか!? »

海外ドラマを100倍楽しもう!」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 欧米のテレビ番組で活躍する日本人司会者たち:

« 『刑事ナッシュ・ブリッジス』 | トップページ | CM出演は、俳優にとってプラスなのか、マイナスなのか!? »

DVDリスト

  • 『24 -TWENTY FOUR- ファイナル・シーズン』
  • 『フレンズ<ファースト・シーズン>』
  • 『プリズン・ブレイク シーズン1』
  • 『BONES -骨は語る- シ-ズン3』
  • 『Dr. HOUSE/ドクター・ハウス シーズン4』