« 『SEX AND THE CITY』『バトルスター・ギャラクティカ』『Lの世界』…ドラマにはエロが必要なのだ!? | トップページ | 観る者を釘付けにする、クロースアップの魔法 »

2009.06.24

『特捜班CI☆5』

泣いた!笑った!飛び跳ねた!
それがクライム・アクションってもの!?

イギリス内務省に特設された犯罪捜査班CI☆5(クリミナル・インテリジェンス・ファイブ)の活躍を描くクライム・アクションドラマ『特捜班CI☆5』。1977年にイギリスで放映されるや、じわじわと注目を集め、83年までに5シーズン57エピソードが作られた人気シリーズ。しかも、最後の第5シーズンの視聴率は70%に届く勢いを見せ、本国で放映後も日本を含めた30カ国以上で繰り返し放映されてきた。
このドラマがテーマとして取り上げているのは、周辺諸国との利害関係や人種問題、麻薬などに端を発する凶悪犯罪だ。それはドラマが放映された1970年代後半のイギリスに暗い影を落としていた問題であり、今も未解決な問題だ。本シリーズが今でも人気を集めているのは、取り上げたテーマの永続性に加え、要人の暗殺や誘拐、連続爆弾魔、核爆弾、麻薬など、各エピソードで綴られる物語のリアリティにあるともいえよう。

ここでCI☆5に登場する主要な人物を紹介しよう。

まず、CI☆5を統括するジョージ・コーレイ部長。自らもMI5出身という実践派指揮官だ。彼の的確かつ大胆な作戦は常に最善の結果を導き出すこともあり、部下からの信望も厚く、それは他の政府関連機関からも一目置かれているほどだ。部下に対して厳しい注文を突き付けることもあるが、それというのも部下に全幅の信頼をおいているから。最後まで面倒を見る人情派なところもある。部下からは「おやっさん」と親しみを込めて呼ばれている。「太陽に吠えろ」で石原裕次郎演ずるボスとどこか重なるところがあるのも人気の秘訣か?

次に紹介するのが、レイモンド・ドイル。警視庁の捜査課で刑事をしていたが、その前には軍隊に入隊していたという過去もある。刑事出身だからか、その仕事ぶりはきわめてまじめ。ただ、女性に対しては電光石火のごとく手が早く、任務に支障をきたすこともあるとかないとか。本気で怒ると手をつけられない暴れん坊な一面も。コンビをくんでいるボーディの弟分的な存在。
三人目が、そのドイルとコンビをくむボーディ。本名はウィリアム・アンドリュー・フィリップ・ボーディ。13歳の時に家を飛び出して以来、用心棒や武器の密売人、傭兵など、日の当たる表舞台とは無縁の筋金入りな裏社会の住人。その後イギリスに戻って陸軍に入隊。SAS(英国陸軍特殊空挺部隊)に所属していたところをコーレイ部長にスカウトされてCI☆5に。ドイルには負けるが、それでもかなりの女好き。それに加えて戦闘の最中でもジョークを忘れない軽口屋だ。殺しのプロを自認しているが、身だしなみにも気を遣う紳士的な一面も。
この2人のコンビは、どこか『マイアミバイス』のソニーとリコ、『白バイ野郎ジョン&パンチ』のジョンとパンチ(あるいは『あぶない刑事』の鷹山と大下)と似ているように思うのは偶然か?

そんな彼らが日々取り組む任務だが、それは実に多岐にわたっている。共産圏や中東諸国から来たスパイ・テロリストの潜伏先調査・監視からはじまり、国家的陰謀や密約に関わる諜報活動、果ては麻薬組織のボスや凶悪犯の捕獲までいろいろだ。しかも、必要とあれば暗殺も。こうした任務の特殊性もあり、CI☆5のメンバーは警察だけでなく軍の特殊部隊やSAS、空挺隊、MI5などから集められた精鋭揃い。また、彼ら自身も任務の失敗は自らの死に直結することを知ってか、常に訓練を怠らない。「おやっさん」ことコーレイ部長も訓練の機会を必要に応じて与えている。
こうしたCI☆5の考え方は、コーレイ部長の「暴力には暴力で戦い、善良な人々を暴力から守れ!」という言葉の中からも読み取ることができる…。

さて、日々、厳しい任務に直面しているCI☆5の部員たちだが、彼らが日々シリアスな面持ちで任務を全うしている、なーんてことは全然ないのだ。むしろ、随所にユーモアのセンスが埋め込まれている。たとえば、敵との派手なカーチェイスを繰り広げるドイルとボーディがその車内で交わす会話といえば、夕べのバーで出会った女性のどこに惹かれたのかとかなんとか。緊迫感とユーモアが風見鶏よろしくめまぐるしく入れ替わるところに、何ともいえないおかしさが物語に深淵な風味を加えている。命令違反をしたドイルとボーディにコーレイ部長がお説教している時でさえ(いやそんな時だからこそか?)、2人は部長への軽口を忘れない。それをとがめない部長も部長で、まあ、いつものことよと楽しんでいるご様子だけど、ね。
お気に入りのジョークランキングを作ってみるのも楽しいかも。

ともあれ、このあたりの日本語表現は字幕よりは吹き替え版に軍配があがりそう。オリジナルの英語の受け答えもなかなかにユニークではあるけど、いかんせん70年代後半のセンスは21世紀の今となってはやや古めかしい。そして、吹き替え版をおすすめする理由はもう一つ。実はCI☆5の吹き替え台本を担当しているのが額田やえ子さん。そう、知っている人には超有名な、コロンボ警部の“うちのかみさんが…”口調を生み出したその人。思わず笑いたくなる主人公たちの軽妙なかけあい、表面は厳しくても裏では部下を思いやる部長の存在、犯罪者や被害者の細やかな心情描写などが、幅広い層に支持され、現在なお根強いファンがついている理由の一つといえます。そうそう、ズッコケ風なエピソードタイトルも意外にも収まりが良い☆

もちろん、ユーモアシーンの演出ばかりが凝っているわけじゃない。アクションシーンもテレビ・シリーズの枠を超えた力の入れよう。スタントを使わないアクションシーンをはじめ、ガン・ファイトのこだわりも半端じゃない。特に被弾した車のボディや撃たれて血まみれになるなど着弾シーンの描写のクオリティはまるで映画のようで、現在の放送規制では放映不可能なシーンも散見するほど。しかも、単なる制作者側の自己満足に終わらず、テンポの良いシーンの積み重ねで生まれたドキドキハラハラなシーンが見る者に心地よい高揚感をもたらす。そうしたアクションシーンに加え、ドイルとボーディ、コーレイ部長らなどCI☆5のメンバーとの心温まるやりとり、犯人や被害者の心理描写にも気を配るなど、単なるドンパチ・アクションで終わらせなかったのが5年という長寿番組になった理由かもね

ちなみに、現在発売中のDVDは傑作選として全57エピソードのうち、各巻12エピソードが収録。その中には字幕のみで放送したエピソードや国内放送時にカットされたシーンも含まれている。そういった字幕のみのエピソードやシーンについて、当時の声優を起用して新たに吹き替え版を作成。DVD化に向けた力の入れ方もちょっと普通じゃないかも。知らなくてもいいDVD誕生秘話だけど、途中で字幕に切り替わる違和感がないのはとってもうれしいので、その点も◎。


特捜班CI☆5の公式HP

■特捜班CI☆5 傑作選DVD-BOX
【価格】¥20,790 (税込)
【収録内容】4枚組
【発売元】スティングレイ

■特捜班CI☆5 傑作選DVD-BOX PART2
【価格】¥20,790 (税込)
【収録内容】4枚組
【発売元】スティングレイ

ライタープロフィール

ドラマナビ編集部

ドラマナビ編集部

« 『SEX AND THE CITY』『バトルスター・ギャラクティカ』『Lの世界』…ドラマにはエロが必要なのだ!? | トップページ | 観る者を釘付けにする、クロースアップの魔法 »

タイムマシンde海外ドラマ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 『特捜班CI☆5』:

« 『SEX AND THE CITY』『バトルスター・ギャラクティカ』『Lの世界』…ドラマにはエロが必要なのだ!? | トップページ | 観る者を釘付けにする、クロースアップの魔法 »

DVDリスト

  • 『24 -TWENTY FOUR- ファイナル・シーズン』
  • 『フレンズ<ファースト・シーズン>』
  • 『プリズン・ブレイク シーズン1』
  • 『BONES -骨は語る- シ-ズン3』
  • 『Dr. HOUSE/ドクター・ハウス シーズン4』