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2009:04:21:16:20:45 『リ・ジェネシス』『ブラッド・タイズ』…ひと味違うカナダ発ドラマたち
なにかと派手な演出(!)が目立つアメリカ、なぜか影のある映像(!)が目立つイギリス、とドラマにはお国柄がでてしまいがち。そして、アメリカっぽくもイギリスっぽくもないドラマだな、と思っているとそれがカナダのドラマだったりする。どこがどう違う、とはっきりいえないのだけれど雰囲気が違う…のだ。カナダは、英連邦王国に属しているいわゆる女王陛下のお国。英語と仏語が共存し、なぜかドアにカギをかけない(byマイケル・ムーア)、のんびりとした気質を持つのがカナダ人だとか。そうえいば、銃社会なのに銃犯罪が少ないとも聞く。そんなカナダが生みだすドラマとは…。
シーズン4がWOWOWで始まったばかりの『リ・ジェネシス バイオ犯罪捜査班』。カナダはトロントにあるバイオテクノロジー研究機関「北アメリカバイオテクノロジー諮問委員会」 (NorBAC:NorthAmerican Biotechnology Advisory Commission)を舞台にそこの研究員たちの活躍を描く。最先端のバイオ技術を駆使したストーリー展開なのだが、その研究シーンがリアルに描写されるため、知らず知らずのうちに引き込まれていく。そんなエピソード内にはアメリカやそのほかのアメリカ大陸の国々とのやりとりが散りばめられ、ちょっと皮肉っぽかったりする。もちろん、研究員それぞれのキャラクターが魅力的なのもいい。カナダ流手堅い演出というところか。『CSI:』シリーズの派手なスプラッター(?)シーンが苦手な人も楽しめる貴重なドラマだったのにこれが最終シーズンだそう、残念。
トロントで活躍しているのは「NorBAC」の面々だけではない。トロントの闇に潜むもの、それがヴァンパイアだ。彼がフツウのヴァンパイア(いたら、の話だが)と違うのは、人間の探偵助手もどきをしているということ。そんなカナダ流ゴシックホラードラマが、現在サイファイチャンネルで放送されている『ブラッド・タイズ』。『バフィー』や『エンジェル』といったアメリカのヴァンパイアドラマを見慣れている海外ドラマファンにとっては、『ブラッド・タイズ』のヴァンパイア、ヘンリーに物足りなさを感じるかもしれないが、なかなかどうして、ヴァンパイア的(?)にはこちらのほうが正統派かも。そう、『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』のアン・ライスファンの好きそうなヴァンパイア像(原作はカナダ人作家タニア・ハフ)といえば伝わるだろうか。そのヴァンパイア、ヘンリーと組んでいるのが主人公でもある私立探偵ヴィッキー。ちょっと骨太なヴィッキーと繊細なヘンリーの闇コンビ、そしてヴィッキーのアシスタントのゴスねえちゃんコリーン、そして暗い画面がゴシック感を倍増してくれる。
SFの古典的テーマの1つ、パラレルワールドを舞台にしたドラマ『チャーリー・ジェイド』もカナダ発。アルファ、ベータ、ガンマという3つの異なる時空間が並行して存在するという、これまたこむずかしい世界を描いた意欲作で、探偵である主人公チャーリー・ジェイドはその3つのパラレルワールドを自由に行き来する男ゼロワンを追う。SFの基本テーマだけに、『スターゲイト』といったSFドラマには必ずといっていいほど出現するパラレルワールドだが、といってパラレルワールドが同時に存在している“世界そのもの”をドラマの舞台にするというのは、めずらしいだろう。アルファ界が赤、ベータ界が緑、ガンマ界が青、と異なる時空感を色味によって表現している映像も斬新。地味だけれど手を抜かない、こんなところもカナダ流なのかもしれない。
ちょっと古いところではこんな秀作も。それが、L・M・モンゴメリの『赤毛のアン』シリーズとその周辺の著作物をもとに作られたという『アボンリーへの道』だ。女子ならだれもが一度は手にした『赤毛のアン』(それだけにファンの思い入れは強い)の映像化実績のあるプロダクション製作ということで、こちらもさすがに手堅い演出。1900年代頭のカナダ、いやプリンスエドワード島とアボンリーが美しく描かれる。主人公はセーラという小生意気な女の子。最初はあの『大草原の小さな家』シリーズのいじわるネリーのようにみえるが、アボンリーの人々と馴染むにつれ、成長していくところがネリーとは違う…。また、『赤毛のアン』シリーズがもとだけあって、マリラやのリンド夫人、はたまたギルバードまでが登場してくれるのは『赤毛のアン』マニアにとってうれしいところ。このドラマ、1990年に放送開始以降なんとシーズン7まで続いた人気ドラマ。日本でもNHKで放送され、VHSも発売されたが、残念ながらDVD化はまだされていない。
こうしてみると、最先端テクノロジーからゴシックホラー、SF、文芸作品、とさまざまなカナダのドラマが日本にやってきていたことに改めて気づく。ここで紹介していないドラマもまだまだあるが、そのどれもがイギリスっぽくなく、アメリカっぽくもない。手堅いけれど、かといってその手堅さがつまらないわけではなく、むしろ引き込まれてしまう。そういえば、どのドラマにもどことなくゴシックテイストが漂っているように思えるのは気のせいか。イギリスやフランスの古い歴史を受け継ぎながらも、隣国アメリカのトレンドを見逃さない。そんな“地の利”がカナダ風ゴシックテイストを作り出しているのかも。
5月からはサイファイチャンネルでカナダ・アメリカ製作の『サンクチュアリ』がスタートする。こちらもカナダ風ゴシックテイスト満載で楽しみ。これからもカナダ発のドラマは見逃せない!
■『リ・ジェネシス バイオ犯罪捜査班』毎週月曜22:00~(二ヶ国語放送)
【放送】WOWOW
(C)2008 Shaftesbury ReGenesis Ⅳ Inc.
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ドラマナビ編集部
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コメント
Rさん、こんにちは。
『ブラッド・タイズ』、いいドラマですよね。
派手派手ドラマに埋もれてしまうのがほんとに残念です。
ヴァンパイアものでは、
昨年、アメリカでスタートした『TRUE BLOOD』が評判いいようで、
日本に早くやってこないかなーと期待しているところです。
投稿: 海外ドラマNAVI編集部 | 2009年4月24日

『ReGenesis』は勿論ですが、『BLOOD TIES』も大好きです。
しかし『BLOOD~』の方はどうもまだ認知度が低いようで、残念でなりません。
コラム内での「、『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』のアン・ライスファンの好きそうなヴァンパイア像」という表現は、本当に的確だと思います。
これを機にファンが増えてくれるといいのに・・・
投稿: R | 2009年4月22日