ショウビズ大国アメリカは、“賞”大国でもある!!
「海外ドラマNAVIアワードも開催したことだし、アメリカにはいろんな賞があるだろうから、それをサワリ程度に紹介して」というS編集長のお言葉に二つ返事で、つまり何も考えずに乗ってしまいましたが、調べてみるとアメリカには、ホントたくさん賞がありました。TVと映画だけでもどんだけあるねん。
インターネットで調べてみると、映画の賞だけで70近くも発見。
カテゴリで分けてみると…。
①全米各地の映画批評協会による賞
AFIことアメリカ映画協会、有名なボストン映画批評家協会賞、それから年間の最悪映画を決めるラジー賞ことゴールデン・ラズベリー賞もここ
②業界内で選ぶ賞
アカデミー賞やハリウッド外国人映画記者協会によるゴールデン・グローブ賞、映画俳優組合SAGが選ぶスクリーン・アクターズ・ギルド賞(通称SAGアワード)、さらに全米黒人地位向上協会のNAACPイメージ・アワードといった賞も含む
③オーディエンスが選ぶ賞
ピープルズ・チョイス賞、ティーン・チョイス賞、キッズ・チョイス賞、MTVムービー・アワードが有名。権威はあんまりないものの、ファンである視聴者が人気者を選ぶため、授賞式の顔ぶれは豪華。ただし、選ばれると決まっている人しか会場に来てなかったりする
その他には、インディペンデント映画のサンダンス映画祭、さらに低予算の映画に絞ったスラムダンス映画祭も有名です。あと、ホラー・SFに特化した、サターン賞、スクリーム・アワード、アニメ関連のアニー賞など、ジャンル別の賞もあります。
このうちTV中継される(=受賞スターが必ず参加する)のは、アカデミー賞、ゴールデングローブ賞、スクリーン・アクターズ・ギルド賞(SAGアワード)、NAACPイメージ・アワード、インディペンデント・スピリット賞、スクリーム・アワードそして前述のオーディエンスが選ぶ4賞くらいでしょうか。
毎年これだけの賞が、1月から3月くらいの間に続々と発表されるわけです。この時期を「アワード・シーズン」とよんでいます。このシーズン前になると業界紙『Variety』や『Hollywood Reporter』には、“for your consideration(ご検討ください)”というコピーと一緒に、すでに公開された映画の無料再上映会の日程が並びます。「ご覧になってない方、またはもう一度見て評価を決めたい方、賞の投票前にこの映画を見てご検討ください」ということなんです。もちろん、上記の賞の投票権のある人しか、再上映会には入れません。
TVドラマにも、優秀作を決める賞がありますよね。最も有名なのはエミー賞。米国テレビ芸術科学アカデミーが主催するもので、権威はあるのですが、映画のアカデミー賞や音楽のグラミー賞のように、即、興行成績に結びつくわけじゃないのが辛い。受賞しても視聴率アップにはあんまり貢献してないといわれます。ただ、知名度は抜群になるわけで。他には、硬派なニュース・ドキュメンタリーを中心に、良質のドラマを選ぶピーボディ賞(ジョージア大学主催)があります。残念ながら、TVに絞った賞は、今はこの2つだけ。何年か前にアメリカの『TV Guide』誌がTVガイド賞を設立し、TV中継も行われたのですが、早々に撤退してしまいました。エミー賞は、新ドラマ編成期の9月に、ピーボディ賞の授賞式は5月に行われます。
TVドラマを表彰する賞としては、ゴールデングローブ賞や全米映画俳優組合賞もありますが、TVと映画がひとまとめになっている賞がほとんど。そして、ゴールデングローブ賞を見ていると、TV中継に映りやすい最前列はいつも映画部門のスターなんですよね。TVスターは後ろの方、端っこの方。全世界に放送されるのだからしょうがないとはいえ、TVファンとしては、ちょっと寂しい。
ところで!
海外ドラマNAVIでもコラムを書いてる俳優の尾崎英二郎さんが、なんと最優秀主演男優賞を受賞しました。「SHOW OFF YOUR SHORTS FILM FESTIVAL」なる短編映画の優秀作品を選ぶ映画祭で、尾崎さんはジャスティン・アンブロシーノ監督の『八人目の侍』で主役を演じていました。もちろん、アカデミー賞やサンダンス映画祭とは異なるのだけど、映画の聖地ハリウッドで開かれた映画祭で日本人が主演男優の一番に選ばれたわけだから、これはもうモックンと肩叩きあってもいい?くらいの快挙!?
俳優やクリエーターの皆さんにとっては、こうした賞っていうのは本当にうれしいものらしい。NAVI関係者としても、実はとってもうれしい。
日本でも年々放送されるTV・映画の授賞式は増えているようです。スターたちの“演じていない”生で反応している姿をぜひ見てくださいね。
写真:Ima Kuroda / www.HollywoodNewsWire.net
ライタープロフィール

橋本裕美子
海外ドラマ好きが高じ、アメリカ在住を決行した筋金入りのドラマニア。そんなのないけど、アメリカン・ドラマ親善大使の座を狙っている。
« トム・スケリット(Tom Skerritt) | トップページ | 第1回海外ドラマNAVI“勝手に”アワード ホレイショさま主演・声優ダブルゲット記念!? ホレイショ名迷ゼリフ 一挙公開! »
「海外ドラマを100倍楽しもう!」カテゴリの記事
- 2010年秋の新ドラマ 宣伝広告と批評の影響力(2010.10.13)
- 空前の大流行!「ヴァンパイアもの」分析します!そして、『トゥルーブラッド』は面白い!(2010.10.06)
- 海外ドラマ、初回の翻訳は難しい(2010.09.29)
- スティーヴン・キング原作新ドラマ『ヘイヴン-謎の潜む町-』現場取材レポート。超自然現象ぼっ発中!世界遺産の町をドラマナビ取材班が行く!(後編)(2010.09.16)
- スティーヴン・キング原作新ドラマ『ヘイヴン-謎の潜む町-』現場取材レポート。超自然現象ぼっ発中!世界遺産の町をドラマナビ取材班が行く!(前編)(2010.09.15)
この記事へのコメントは終了しました。
« トム・スケリット(Tom Skerritt) | トップページ | 第1回海外ドラマNAVI“勝手に”アワード ホレイショさま主演・声優ダブルゲット記念!? ホレイショ名迷ゼリフ 一挙公開! »
コメント