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2009.02.16

『硫黄島からの手紙』の渡辺広と『スーパー・ナチュラル3』の内田夕夜の特別同窓対談in海外ドラマNAVI!

出演した映画『ラストサムライ』『硫黄島からの手紙』で独特の存在感をアピールし、さらなる高みを目指してロサンゼルスを舞台に俳優活動を続ける渡辺広。俳優として多くの舞台に立ち、海外ドラマファンの間では吹き替え版の声優としてもおなじみの内田夕夜。
アメリカと日本、別々に活躍するこの二人はなんと高校時代の同級生!
甘酸っぱい(?)思い出話や海外ドラマの吹き替え事情、今後の夢、15歳のときから知り合う二人ならではのざっくばらんな雰囲気で、とことん語り合ってもらいました!

■高校時代のあだ名は「ピロチ」と「チャー」
――内田さんは渡辺さんのことを「ピロチ」、渡辺さんは内田さんのことを「チャー」と高校時代からのあだ名で呼びあう二人。かつての同級生とのことですが、学生時代はどんな思い出が?

渡辺:映画研究部にいてそこで初めて共演したんだよね。そのときに8mm映画を録って…。当時、16歳だったひとつ上の先輩が監督したんですが、大林宣彦監督の推薦をもらい、ぴあのフイルムフェスティバルで受賞した作品でもあるんです。
内田:そこで初めて喋ったんだよね? たぶん映研の部室で会ったのが初対面。夏休み返上で代々木とかで撮影して…。
渡辺:そうそうラストシーンは代々木公園そばの歩道橋だったんだよね。チャーと彼女役の女の子と。
内田:男子校だから女の子はもちろんいない。僕の中学時代の演劇部の部長に声をかけて出演者を集めてもらった。
渡辺:そのとき監督と演出をやった先輩たちも、今映画業界で活躍していて。
内田:ほかのスタッフも今なおいろんなところで活躍しているし。僕はその後、先輩を追って桐朋学園の演劇科に進学してそれがきっかけで俳優座に入ることになった。でもピロチは突然アメリカに旅だったんだよね(笑)? ある日ピロチがCMで踊っている姿を見てホントに驚いた!(注:渡辺さんは「LOTO6」のCMに出演歴あり)それを見たときはピロチの実家に電話しちゃったよ。
渡辺:チャーは演劇人としてのエリートコースを歩んでいるよね。歴史ある俳優座の主役をやっているし。また舞台も観に行きたいな。

渡辺広 ■一本気!?高校生ピロチがはまったものとは?
――それではお互いの俳優としての魅力はどんなところか、語り合ってもらいましょう!

渡辺:チャーは一見プレイボーイ風でチャラチャラしているように見えるんだけれど、けっこうマジメなんですよ! 芝居を観にいって「上手くなっているな」「抜かされないように頑張らなくちゃ」と思う。
内田:ピロチはとにかく真っすぐでのめりこみやすい。高校時代のアノ話、していい? ある日突然ダイエットすると誓ったんですよ、この男は(笑)。
渡辺:ああ、あったね。理由は役作りでも何でもない。単に“思春期”だったから(笑)
内田:そのダイエット方法がのど飴だけをひたすらなめるというやつ。体重がいきなりガクンと落ちたみたいで、爪の色まで変わっていて、あきらかに不健康だったよ! でも「コレ!」と思ったらストーンと入っていく集中力とそのスピードの速さがすごい。アメリカへ行くと聞いたときも「ピロチが決めたなら何言ってもダメだろうな」と思った。普通、英語が堪能なわけでも強力なツテがあるわけでもないのに、アメリカへ行くなんて考えられないけれどね。
渡辺:そう言われてみればそうだな。そういうところもあるな。
内田:おもいきりあるよ!

――現在はいろんな媒体を通じてお互いを見る機会も多いと思いますが、どんな印象でしょうか。

内田:『ラストサムライ』を見に行って映画館のスクリーンにピロチがアップになったときは「うわっ!」と声を出してのけぞってしまったよ。でもうれしかったな。
渡辺:でもアメリカに渡って8年間くらいはとても辛かった。生活も苦しかったし何より演技がちゃんとできないことが…。そんなときにたまに俳優座のホームページを見て「チャー、頑張っているな」と自分を奮起させるようにしていたよ。『ザ・ホスピタル』(注:ジェリー・イェン主演の台湾ドラマ。内田さんが主人公の吹き替えを担当)のホームページでチャーが吹き替えた声を聞けたんだけれど、「うまい!」と思ったよ。不自然さや違和感がなく、ちゃんとハマっていて。失礼だけど「さすがちゃんと考えてやっているな」と。
内田:ピロチもアメリカで吹き替えやっていたんでしょ?
渡辺:アメリカ系航空会社が機内で流す映画の日本語吹き替え版などをやっていたよ。でもすごく難しくて、初めて吹き替えの現場へ行ったときに思ったのが「早く家に帰りたい」(笑)。0.1秒単位で口とセリフが合わなくて、やり直しばかり。なかなか終わらなくて…。

内田夕夜 ■吹き替えで大事なのは気持ちを合わせること
――吹き替えの話になりましたが、実は海外ドラマNAVI編集部は字幕派と吹き替え派とスタッフの意見が真っ二つに分裂。これは視聴者のみなさんも同じでは? では、吹き替え版派はもちろん字幕版派にもたまらない(?)お二人の吹き替えについてのエピソードを聞いてみましょう。

内田:はじめて吹き替えの仕事をしたとき、演出家の方に「口とセリフを合わせる技術よりも、大事なのは役と自分の気持ちを合わせることだ」と心構えを教えてもらったので良かったよ。役のセリフと自分の気持ちを合わせるのは、役者として芝居をすることと同じだしね。
渡辺:僕もアメリカで吹き替えの仕事をもらえるようになって、「この登場人物は、誰に向かって何の目的で何をしようとしているんだろう」と考えながら吹き替えをするとうまくいくことに気づいた。画面の中の役者と同化できるのが感動したな。でも、つくづく思うのは日本の声優さんのレベルは世界一! 僕が言うんだから間違いない。外国で日本の映画の吹き替えをすると、まあ、、、聞いてられないレベルがある。意味さえ通じればいいと思っているのかも。
内田:実は僕も吹き替えの仕事をやるまでは字幕を見ることが多かったんだけど、吹き替えの作品をよく見るようになって、ストーリーがよりよくわかるのは吹き替え版ということに気づいた。画面で二人以上の役者がしゃべっているときやバックに流れるテレビやラジオの内容までを観客に伝えられるのは吹き替え版ならでは。
渡辺:専門用語が頻繁に出てくる作品も吹き替え版のほうがわかりやすいしね。それにしても日本の声優さんたちのうまさ、特にアニメの声優さんたちはすごい!
内田:最初にアニメの現場をのぞかせてもらったとき、すごく驚いた。「あと3歳くらい若い感じで」という指示にも即座に対応して、本当に3歳若返った声を出している声優さんがいてびっくり(笑)。

■高校時代のスタッフ・キャストでもう一度作品を作りたい!?
――違う国・違うジャンルで活躍するお二人ですが自身の目標や夢、そしてお互いの将来について思うところを教えてください。

渡辺:チャーは品がある好青年という役がぴったりだから、そういう作品を見たいね。僕はシチュエーションコメディやシットコムが好きだから…。
内田:うわっ! ピロチにハマりそう!! 観たいな~(笑)。ピロチはとにかく全速力で走るから、そういう人を横から見ると面白かったりするじゃない?
渡辺:マジメにやっているのにうまくいかない男が合うってことでしょ(笑)? 確かにね! この前主役をやらせてもらった映画『ホワイト・オン・ライス』はちょっとそういうテイストがあるんだ。
内田:ピロチはちょっとした役から監督さんに気に入られて仕事が広がっていくことが多いみたいだけれど、それはとてもよくわかる。役を与えたとき100くらいのもが返ってくるかと思ったら、ピロチの場合は1万くらいで返してくるでしょ? やっぱり期待しちゃうよね。
渡辺: でもTVドラマは流れが速いから、短時間で英語のセリフを、いかに自分のものに出来るかが今の自分の課題なんだ。チャーは声優として人気があり、俳優としても大変実力があるので、舞台や映画とか、違うジャンルのチャーもどんどん見てみたい。
内田:いつかまた共演したいよな。関さんとか高校の映画研究部のみんなといっしょに。お互いに大人になって、今までこれだけ頑張ったという部分をぶつけ合えるようになれればいいね。

プロフィール

内田 夕夜

内田 夕夜(うちだ ゆうや)
桐朋学園短期大学演劇専攻科卒業後、1987年に俳優座入団。現在は俳優座のメインアクターとしてだけでなく、映画、海外ドラマ、アニメの声優としても活躍している。
【主な作品】
舞台:『赤ひげ』、『三屋清左衛門残日録~夕映えの人~』(俳優座)他
映画:『伊能忠敬-子午線の夢-』(小野田嘉幹監督)他
吹替:『タイタニック』(CX レオナルド・ディ『クローサー』(ジュード・ロウ)/『ザ・ホスピタル』(スー・イーホア役)/『スーパーナチュラル3』(サム役)/『アニメ・ナルト疾風伝』(リンジ役)/「ゲーム・金色のコルダ2」(吉羅暁彦役) 他多数

渡辺 広

渡辺 広(わたなべ ひろし)
東京の小劇場で活動後、米国の演技方法を学ぶため渡米。ロサンゼルス・シティ・カレッジの演劇科を卒業後、当地で舞台、映画、CMに出演する。ワンシーンながら『ラストサムライ(03)』にてトム・クルーズ、ティモシー・スポールと共演。『硫黄島からの手紙(06)』でクリントイーストウッド監督に、メインキャラクターの一人、藤田副官役に抜擢される。主演映画『White on Rice(09)』が3月に行われるSan Francisco International Asian American Film Festivalに始まり、全米各地の映画祭で上映される。

ライタープロフィール

ドラマナビ編集部

ドラマナビ編集部

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