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2008.03.19

『空飛ぶモンティ・パイソン』

イギリス、いや世界のコメディを語る上で欠かせないパイソンズ!

1969年、イギリスはBBCから飛び出した“6人はアイドル”…いえ、6人のパイソンズ、それがモンティ・パイソン。この2月(2008年)には、幻のテレビ東京版といわれたファン待望のDVD『空飛ぶモンティ・パイソン“日本語吹替復活”-DVD BOX』が発売された。その喜びもつかの間、吹き替え担当のおひとりであった広川太一郎さんがお亡くなりになったという訃報がファンのもとにもたらされることに。
今回ご紹介するのは、そのモンティ・パイソンの名作『空飛ぶモンティ・パイソン』。基本的にショートコントドラマ(スケッチ)がつながっている30分番組だけど、『海外ドラマNAVI』としてはむりむりコメディドラマとして取り上げちゃおうっていう魂胆。
なんといってもモンティ・パイソンが世界のコメディシーンを変えたといっても過言じゃないのであります。そう、かの有名なアメリカのコメディ番組『サタデー・ナイト・ライブ』にだって影響大と思われるほどに。さまざまなコメディ映画にもその片鱗がみえるほどに。

スパムメールのネーミングはモンティ・パイソンがルーツ!?

『空飛ぶモンティ・パイソン』のすごいところは、イギリスの国営放送BBCというお堅いところで放送する番組であるにもかかわらず、数々のタブーに挑戦しているところ。
たとえば、カソリックやプロテスタントといった宗教関連。ゲイについて。そしてもちろんエロ系も。マザーグースやクリケット競技といったイギリスのカルチャー、果てはイギリスが誇る女王陛下まで。なんでもあり。
その背景には、パイソンズたちが高学歴だったことが挙げられるだろう。ブラックでおばかなセリフの端々にちりばめられる教養TIPS。わかるやつはついてこい、な演出でもあり、そんなところが嫌いといわれてしまったりもする。広川太一郎さんは、自分のセリフ回しとクドカン(宮藤 官九郎)のそれが似通っているというようなことをいっていたけれど、モンティ・パイソンの演出にも同じことがいえるかも。

有名なスケッチとしては、「イッツマン」に「恐怖の殺人ジョーク」「ナッジナッジ(いわゆるちょんちょんってやつ)」「スパム」そして「死んだオウム」に「シリー・ウォーク」「スペイン異端宗教裁判」などなど。いや、好みになっちゃうからね、これは。なんたって放送されたスケッチの数といったら、細かすぎて数えられないし。
そして、注目は各スケッチをつなぐテリー・ギリアムのアニメ。ビートルズの『イエロー・サブマリン』に似たサイケデリックさがありつつ、ちょっとあせた色使いと動きがアナログでよきかな。んでもって内容はグロだったりする。このアニメなしでは、『空飛ぶモンティ・パイソン』はなりたたないといっていいかも。

ところでみなさんも日ごろから悩まされている“スパムメール”。スパムメールのこのスパム、本来はアメリカのランチョンミートの缶詰の名称なのだけれど、パイソンズがスパム(第2シリーズ12話)をネタにしたせいで“スパム”の意味が変わってしまった!?
ぜひともエピソードをご覧あれ。

濃ゆすぎるキャラ、パイソンズのメンバーたち
そんなモンティ・パイソンのメンバーをさっくりじっとり紹介しよう。
()内は吹き替えを担当した名声優さんたち。

グレアム・チャップマン(山田康雄)
医師資格を持つ。ケンブリッジ大学に在学中、ジョン・クリーズと出会ったことがそもそものはじまり。クリーズとともにパイソンズの脚本を担当、そしてはまり役がおかま。自らがカミングアウトしたこともあり、ゲイの人権擁護運動にも力を入れていたとか。惜しくも1989年に咽頭ガンのため亡くなりましたが、その後1998年の同窓会番組に骨壷に入った遺灰として登場するなど、死後なおもパイソンズとしての意地?をみせてくれている。

ジョン・クリーズ(納谷悟朗)
弁護士資格を持つ。学生時代、ケンブリッジ・フットライツという伝統あるコメディー・サークルに参加し、そこでグレアム・チャップマンと出会う。脚本を担当しつつ、独自のキャラを次々と確立させていく。お堅い役人やいやみな軍人など高圧的な人物をデフォルメし、その人物を笑い倒していくのが得意ワザ!? なかでもシリー・ウォーク(第2シリーズ1話)は必見。モンティ・パイソン以降もさまざまな映画に出演。『チャーリーズ・エンジェル』映画版でエンジェルのパパ役でちょろっとでたり、007シリーズでいきなりQを演じたりと驚かせてくれること多々。

エリック・アイドル(広川太一郎)
ケンブリッジ大卒。ジョン・クリーズと並んでパイソンズのアイドル?的存在。主に風刺ソングや言葉遊びを担当。ラトルズというビートルズのパロディバンドを結成していたりもする。なんつったて、ジョージとお友達という強みがある。フォークランド紛争時に歌われたというパイソンズの名曲『オールウェイズ・ルック・オン・ザ・ブライト・サイド・オブ・ライフ』(映画『ライフ・オブ・ブライアン』の挿入歌)のボーカルもエリック。

テリー・ジョーンズ(飯塚昭三)
オックスフォード大卒。なぜかイギリスの典型的なおばさんキャラやいじめられ役が多く、あまり目立たない存在のようにみえるが、パイソンズの文学的味付けを担っていた。英文学専攻の知識がモンティ・パイソンの映画『ホーリー・グレイル』のようなアーサー王もの、そして息子のためには映画『エリック・ザ・バイキング』のような北欧ものを生み出したといえる。

マイケル・ペイリン(青野武)
オックスフォード大卒。そこで出会ったのがテリー・ジョーンズ。つまり、パイソンズの中には、ケンブリッジ派閥とオックスフォード派閥があったわけで、まあ、イギリスの高学歴社会の縮図がパイソンズ内にあったというところか? ペイリンは、パイソンズでもずばぬけたおとぼけキャラで、番組冒頭や最後によく現れるイッツマンは彼のはまり役。テリー・ギリアムの『未来世紀ブラジル』など映画でも幅広く活躍している。個人的にはいちばん好きなパイソンズ。

テリー・ギリアム(古川登志夫)
パイソンズ唯一のアメリカ人。ジョン・クリーズがアメリカに渡った際に出会ったとか。ただひとり、アニメーション制作に没頭し、脚本制作にはあまり関わらなかったというが、そのアニメーションが傑作ぞろい。モンティ・パイソン後には数々の名(迷)作映画をうみだしている。なかでも『未来世紀ブラジル』『フィッシャーキング』(これももとはアーサー王物語)は秀逸。


日本語版吹き替えはパイソンズのお墨付き!?

今回のDVDで復活した“日本語吹替”。じつは、ファンの方が個人的に録画していたものをお借りしたといういわば幻の復刻版。いやー昔のテレビ局っていいかげんなもんだ。NHKの少年ドラマシリーズだってファンのおかげで復活してたりするもんね。
そんな幻バージョンだからして、『ダンディ2 華麗な冒険』と同様、一部日本語音声がない部分がある。もともと吹き替えで放映していない部分が多かったというだけだけどね。
その日本語版がまたまたはちゃめちゃ。日本語字幕と比べればよーくわかるのだけど、そんなこといってねーだろ的なセリフのオンパレード。そう、日本語版は独自のモンティ・パイソン・ワールドを確立しているのでした。そのせいか、声優さんたちがのびのびとというよりはじけちゃってる感じでパイソンズのキャラを演じているのがまた楽しい。たぶん、その影にはものすごーい努力があったはずだけどね。そのおかげか、日本語バージョンの完成度は、本家モンティ・パイソンも認めているとかいないとか。

というわけで、本作のおすすめな楽しみ方。
まず、日本語版で主要なスケッチを堪能。その後、日本語字幕をつけた日本語版を楽しむ。ここらへんで大体がパイソンズに毒されてくる(はず!)ので、次はざーっと全部をオリジナル音声を字幕でみていこう。いや、基本日本語版だけでもいいけどね。
何通りもの楽しみ方ができる“日本語吹替”に大感謝!


■『空飛ぶモンティ・パイソン』DVD-BOX 発売中

あの伝説の“東京12チャンネル(現テレビ東京)”版日本語吹替が約30年振りに復活!世界と日本のコメディシーンに多大な影響を与えたコメディ番組『空飛ぶモンティ・パイソン』の決定版がついに登場!!
【価格】¥31,290(税込)
【収録内容】7枚組
【発売元】ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
 ©2006 Python(Monty)Pictures Limited.All Rights Reserved.

ライタープロフィール

ドラマナビ編集部

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