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2007.12.05

『シャーロック・ホームズの冒険』

エキセントリックなホームズ先生に悩殺必至!
神経質顔が好きな同志よ、集え!

木枯らしが吹き荒れる季節になってきました。今年最後の月に入りましたが、寒い日のお出かけのおともにはマフラーと帽子。おっと、忘れちゃいけない、パイプとステッキも必需品ですな。カンの鋭いあなたならもうおわかり、今回は『シャーロック・ホームズの冒険』。

この番組の制作をした英・グラナダテレビは数年前に反響を巻き起こした『マイケル・ジャクソンの真実』を手がけたことでも知られていて、スタジオがマッド…いや、マンチェスターにあるという、なんともRAVE ONな会社であります。

サー・アーサー・コナン・ドイルによる原作があまりにも有名な『シャーロック・ホームズの冒険』。物語は、だんなの機密書類を横流ししてしまい、コトの重大さに気づいた美人妻とか、ギリシャ語を話せるがゆえに危機に直面した通訳など、人生の奇問難問をかかえた依頼主がべーカー街のホームズ宅のドアをノックするところから始まります。

ジェレミー・ブレット演じるシャーロック・ホームズは、無礼な依頼主には容赦なく「目には目を」とばかりに追い返します(逆ギレする人もたまにいる)。自分の思考回路を優先させるジコチューな振る舞いだけど、何度か見ているうちにこちらも快感になってくるほどキャラが完成しているところがすごい。とくに、ホームズ先生の肌がとても白く、目のふちが少し赤くなっているところも鋭い眼光を際だたせています。名誉には興味ゼロ、よって自分の手柄をスコットランド・ヤードのレストレード警部(コリン・ジェボンズ)に譲っても涼しい顔です。

一方、興奮気味の来客を落ち着かせたり、事件の重要ポイントを素早く書きとめたりと、問題解決をサポートする良き相棒はドクター・ワトスン(第1話〜13話デビッド・バーク、第14話以降エドワード・ハードウィック)。たとえホームズに冷遇された依頼主にも別れ際のフォローはかかさず、二者の架け橋の役割もはたしています。たまーにですが、ホームズ先生が気落ちしているときに温かい一言をかけるのも、やっぱりワトスン。それに感謝するホームズ先生も素直で微笑ましく、仕事つながりだけではない男の友情を感じてしまいます。

このふたりが住む部屋のランドレディはハドスン夫人(ロザリー・ウィリアムズ)。たまねぎ頭がトレードマークの彼女が大きなトレイで運んでくるイングリッシュ・ブレックファーストのおいしそうなことといったら! 彼女はふたりに敬意をはらっているので「ご飯をちゃんと食べているか否か」以外に余計なことを詮索しないのがよろしい。家政婦は見ちゃいけないのであります。

このキャスティングもいいけれど、バックの美しさも捨てがたい。牧歌的な風景とは裏腹に、腹黒い事件は田舎方面で勃発することが多いようで、ホームズ先生たちはカポカポと馬車に乗って現地へ乗り込みます。朝もやのなか到着したお屋敷の荘厳さや、内部にある上品な調度品をカメラは着実にとらえていきます。もちろん、ホームズ先生たちのファッションにも要注目です。仕立ての良い衣装もさることながら、帽子や手袋などの小物使いも英国紳士らしく、きまっています。

不幸な人間も(多少)出しながらどんな難問も解いてしまうホームズ先生。でも時には自分で自分の愚かさをののしることもある…嗚呼、やっぱり人間なんですね。杓子定規ではないウィットに富んだ解決方法にニヤリとさせられてしまうのは、私だけではないはず。

ホームズ役の吹き替えの露口茂の声は、ジェレミー・ブレットよりも声のトーンが少し低め、でももはやこの声以外には考えられません。話の途中にいきなり「ハ!」と自嘲気味にのたまうところも嫌みに感じない(なくなる?)のが不思議。『機動戦士ガンダム』のシャア・アズナブル役の池田秀一や、『ヤマトよ永遠に』のサーシャ役、潘恵子が声の出演をしている回もあり、この声優キャスティングも光っています。

残念ながらブレット本人が制作途中に亡くなったため、全作品の映像化は不可能になってしまいました。しかし彼の名演技を世間が放っておくはずがなく、第1話が制作されてから20年以上たった今もなお「これぞ最高のホームズ!」と絶賛されているんですね。

どの回から見てもハマりますが、いまならクリスマス・ムードいっぱいの『青い紅玉』を。冒頭でホームズ先生のパジャマ姿&乱れ髪も堪能できて一石二鳥(ちなみに“鳥”もキーワード)。「英国」と聞いてすぐに寄宿舎を思い浮かべたあなたには『プライオリ・スクール』。これにはアラン・ハワード(『コックと泥棒、その妻と愛人』)が公爵役で出演しています。そうそう『ショスコム荘』には、ジュード・ロウがなんと純朴な田舎青年役で出ているので、ファンならおさえておくべきでしょう。

待望の完全版DVD-BOXが発売されたことだし、いつどこで見られるけれど、やっぱりこの季節には、暖かい部屋の中で濃―いイングリッシュミルクティを片手に見るのがおすすめ。謎解きだけでなく、ディテイルも楽しんで!
 

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ドラマナビ編集部

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