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2007.10.02

「偉大なる作品群」ランキングの独自集計に挑戦!

これまで、私のコラムではテレビドラマのすさまじいまでの生存競争を書いてきましたが、今回はそれに勝ち残り続けた「偉大なる作品群」を独自のプロセスを通して1つの参考ランキングとして集計してみようと思います。

データの出発点として、まずは単純な発想で「更新したシーズン数」を考えました。企画、パイロット、そしてオンエアー後のふるいにも落とされず、「お茶の間」というか、「リビングルーム」の定番として長期間人気を保ち続け、シーズンを重ねていくわけですから、更新回数の多さは大変重みを持つデータですよね。

ということでまずは「更新したシーズン数」で調査にかかりました。このコラムで扱うようなドラマはいわゆる「プライムタイム(日本でいうゴールデンタイム)」といわれる時間帯の番組が多いので、報道系、トーク番組、リアリティー番組、アニメーションなどは除いていきます。「昼メロ」も確かにかなり長期に渡ってシーズン更新をしている作品があるのですが、これらも調査対象外としてデータから除きました。

「シーズン更新数」のみでランキングを作ると実は昔のものが強い。だからそのバイアスに対してなんとかバランスを取る必要があります。昔のものが強いワケは、もちろん視聴者の選択肢が増えたことが大きいでしょう。アナログ地上波しかテレビが無かった頃は、ABCCBSNBCの3大ネットワークしか実質上ドラマを見るチャンネルの選択肢が無かった上に録画やオンデマンドなどができなかったわけだから、最近のチャンネル数や、携帯、インターネットを含めたメディアコンテンツを見る選択肢の違いはものすごい環境の違いでしょう。

その「バランス」のためのヒントが偶然にも編集部からもたらされました。「エミー賞ネタがあまり古くならないうちに、エミー賞を絡めた原稿をお願いしたい!」というメールが届いたのです。で、考えてみるとエミー賞は、その歴史とともに多少の上下はあっても、全般的にはカテゴリー数が増えているらしく昔と比べれば評価された作品が受賞するエミー賞の数は昔より多くなるはずと考えました。「エミーの数」が「シーズン更新数だけでは昔の作品に有利」というバイアスにバランスをもたらすんじゃないかと発想したわけです。

もちろん、正確にそのバランスが数値化されるわけでもないので、ものすごいアバウトなものですが、いいんです!独自ランキングなんですから。その集計プロセスの透明性があることで(この文章)、ランキングを作る過程についても楽しんでいただきたいし、いろんな角度から「ああでもない、こうでもない」とディスカッションになったら面白いじゃないですか。

というわけで、シーズン更新数にエミー賞の獲得数を足した数字を指数としてポイントの高い順にランキングを作成しました。ロングランのサバイバーに対するランキングという基本的考えから、指数が同じ場合はシーズン数が多い方を上位にランクしました。それでも決着がつかない場合は、エピソード数を多い方を上にしました。シーズン更新数、エミーの数とともに2007年9月末時点までで判明しているものまで数字に入れました。

ということで今回のランキングの集計はこうなりました!上位25位までです。

ランク ドラマ名 ジャンル シーズン数 エミー賞 指数
1 フレイジャー(Frasier) Sitcom 11 37 48
2 『Cheers』 Sitcom 11 28 39
3 ER 緊急救命室(ER) Drama 14 22 36
4 The Mary Tyler Moore Show Sitcom 7 29 36
5 ザ・ホワイトハウス(The West Wing) Drama 7 27 34
6 『ヒル・ストリート・ブルース(Hill Street Blues)』 Drama 7 26 33
7 NYPDブルー(NYPD Blue) Drama 12 20 32
8 『All in the Family』 Sitcom 9 22 31
9 TVキャスター マーフィー・ブラウン(Murphy Brown) Sitcom 10 18 28
10 ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィア(The Sopranos) Drama 6 21 27
11 マッシュ(M*A*S*H) Sitcom 11 14 25
12 新スター・トレック(Star Trek: The Next Generation) Sci-Fi 7 18 25
13 名犬ラッシー(Lassie) Sitcom 22 2 24
14 ロー&オーダー(Law & Order) Drama 18 6 24
15 Hey! レイモンド(Everybody Loves Raymond) Sitcom 9 15 24
16 X-ファイル(The X-Files) Sci-Fi 9 15 24
17 ウィル&グレイス(Will and Grace) Sitcom 8 16 24
18 24 Drama 7 17 24
19 LA・ロー(L.A. Law) Drama 8 15 23
20 Taxi Sitcom 5 18 23
21 The Waltons Family
Drama
9 13 22
22 女刑事キャグニー&レイシー(Cagney & Lacey) Drama 7 14 21
23 刑事コロンボ(Columbo) Drama 7 13 20
24 The Dick Van Dyke Show Sitcom 5 15 20
25 となりのサインフェルド(Seinfeld) Sitcom 9 10 19

トップの『フレイジャー』は2位の『Cheers』からのスピンオフですから、いかに「Cheers-Frasier」の流れがアメリカテレビ史上強かったかを物語るような結果ですね。80年代、90年代、そして2000年代の前半まで、アメリカ人の心を「ホッ」とさせるSitcomの覇者として君臨したって感じです。

単純にシーズン更新数でみれば、『名犬ラッシー』がダントツで1位なんですけど、エミー賞は2つしか受賞してないんですね。

Sitcomはやはり強い。上位25位までのうちの12作品を占めジャンル比率は48%ですから、約半分は「お笑い系」ということになりますね。Situation Comedyということで、基本的に「状況の滑稽さ」を笑うわけです。番組中に「ワハハ」というお笑いの音声が入るやつ。この種の「お笑い」が評価されているアメリカのテレビ界とエミー賞、そして視聴者ってなんか好きです、個人的趣味ですが。

「名前だけは聞いたことがあるけど、知らないなあ」と思えるぐらいリアルタイムでも、再放送でも知らない作品というのがやっぱり入ってますね。『The Mary Tyler Moore Show』、『The Dick Van Dyke Show』、『All in the Family』、『The Waltons』辺りですね。

大まかにDramaとジャンル分けされている作品は10作品、ジャンル比率は40%でした。『ロー & オーダー』はまだ記録更新中ですから、将来的にはもっとシーズン数もエミー受賞数も上がるかもしれません。『Law & Order: Special Victims Unit』は別のものとしてカウントしています。やはり記録更新中の『ER 緊急救命室』も3位という高順位でランクインしているし、シーズン数はすでに『フレイジャー』と『Cheers』より多いわけですから、これからどうなるかという感じですね。最近は受賞の勢いはなくなってきてるみたいですけど。そしてやはり現役の『24』にもがんばってもらいたいところです。次のシーズンが正念場って感じでしょうか。

Sci-Fiは2つしかランク入りしてませんが、やっぱり『X-ファイル』と『新スター・トレック』ですね。この2つはこのジャンルの金字塔って感じですね。

プライムタイムソープとよばれているもので、「昼メロ」とは違うSoap Operaとジャンル分けされている作品はなんと1つも上位25位に残りませんでした。このジャンルで一番高い位置を示したのは『ダラス(Dallas)』という作品でちなみに28位でした。

もっといろいろとコメントしたいのですが、長くなりそうなので、今回は「偉大なる作品群」についての独自ランキング集計とその重厚なビッグネーム作品リストを見ていただくということで締めくくります。それぞれ感じるところがあると思いますが、ご遠慮なく、ご意見、ご感想、ツッコミなどお寄せください。

上位25位までのジャンル比率
 

ライタープロフィール

森井 茂樹

森井茂樹
「入魂のリサーチ」を信条とするエンターテインメント、メディアビジネスのリサーチャー。仕事としてテレビ、ラジオ、映画、マンガ、インターネットなど多くの分野をカバーしているが、プライベートでも各国の様々な作品に次々と挑戦している。ポップカルチャー、運動、サウナ、自然、そしておいしい食べ物があれば世界平和が実現すると信じている。日本、中東、ヨーロッパを経験し、現在ニューヨーク在住。

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