『ダーク・エンジェル』
近未来の世界はP・K・ディックの
呪縛から逃れられないのか!?
リンチ、ライミとくれば、そう、ジェームズ・キャメロン(『ターミネーター(1984)』『タイタニック(1997)』)のこの作品を紹介しなくては。なーんて義憤!?に駆られる必要はまったくないSF娯楽「超大作」ドラマ、『ダーク・エンジェル』。近未来を描くキレのいいカメラワークに圧倒されつつ展開するドラマは、小気味いいほどテンポよく、アメリカンドラマならではの醍醐味。
『ダーク・エンジェル』で主役を張るのは、当時(2000年)無名といってもいいジェシカ・アルバ(『ファンタスティック・フォー:銀河の危機(2007)』)。脇を固めるのも、「ほとんど」日本人にはなじみのない方々ばかり。でもこのほうが面白いんだな。そりゃあ有名どころがでてくると、それだけで重要な役か、ゲスト出演でキーになるんだな、なんて予測してしまうから。ということで、なんの先入観もなしにぐいぐいとドラマに引き込まれることうけあいの『ダーク・エンジェル』。
なによりもかっこいいのが、ドラマのサントラ。サントラがこのドラマのテンポを盛り上げていたのはいうまでもないこと。楽曲を提供しているのも、パブリック・エネミー+MCライト、Q-ティップ、フォクシー・ブラウン+ケリースといったヒップホップ界の大御所だってんだからただごとじゃあない。
そんなドラマのあらすじはというと…。
2009年(再来年だ!)、アメリカはワイオミング州にあるDNA研究所マンティコアから12人の子どもたちが脱走。その一人、ジェシカ・アルバ演じるマックスが成長した10年後をドラマは描く。10年後、世界は電磁波テロ後で荒廃しきっており、無秩序状態。おいしいコーヒーを手に入れるのも一苦労。そんななか、マックスは反体制派のローガン、親友のオリジナル・シンディたちとともに、マンティコアひいては政府(なのか)!?の陰謀に対峙していく。
マックスの仕事は、建前では宅配会社でクーリエ、でも本当はその遺伝子組み換え(猫との交配!)によって高めた能力によってあらゆるところに忍び込む泥棒の達人。そんなマックスだからアクションはお手のもの。高いところが好きなのも猫ゆずりか? この能力が、反体制派であるローガンに必要とされていたというわけ。で、マックスがマンティコアの実験対象であることは、うなじにあるバーコードが証明。このあと、アメリカではバーコードの刺青がはやったとかはやらなかったとか、ということはさておき、マックスのマンティコアとの戦いのほか、伏線となるのが、ローガンとの恋愛模様。またこれがじれったいんだな。いい年をした男と女のはずなのに、なかなかくっつかない。でもっていよいよというときに、マックスにしかけられた罠によって2人は触れ合うことすらできない、ときたもんだ。そんな展開に不満をもったのかどうかはわからないけれど、実生活ではマックスことジェシカ・アルバとローガンことマイケル・ウェザリーが婚約していたりして。結局は解消したらしいですがね。
それにしても、こういう近未来ものにつきものなのが、東洋テイストの入った街並み。これって絶対に『ブレードランナー(1982)』以降の定番としか思えない。といっても映画は原作(P・K・ディック)とだいぶ異なり、あれは監督であるリドリー・スコットの世界ではあるんだけど。そして、マックスが駆る漆黒のバイクはやっぱりというかそうだよねというか、カワサキ(しかも特別仕様らしい)。これはマックスだけに映画『マッドマックス(1979)』がルーツか? で思い出したのが、マックスのフルネーム、マックス・ゲバラ。うーんいくら自分でファミリーネームをつけたとかいうエピソードを入れてもやりすぎじゃ。そんなこんなではまりまくってきた『ダーク・エンジェル』なんですが、なんとシーズン2で打ち切りの羽目に。なんかエピソードがおかしいな、と思っているうちに無理矢理終了!なかんじ。日本でもたまに打ち切りがあるけれど、ここまでひっぱっておいて、さくっと終了するのもアメリカンドラマならでは。もうちっと、きちんと〆てほしい!とファンは思うのでありました。
ところで、途中からレギュラー入りしたマックスのマンティコア仲間?アレック。彼を演じているのは、最近超能力ブラザーズの片割れを演じている彼なんですね。そう、次長課長のミスターハンサム?井上くんが声を担当している彼ですわ。もうおわかりですよね。アレックはいい男だけど、あのドラマでの吹き替えはどうなのよ。
ライタープロフィール

ドラマナビ編集部
« アメリカンTVドラマスターからみる人気ファッション FROM USA | トップページ | トークンアジアンをぶっとばせ! »
「タイムマシンde海外ドラマ」カテゴリの記事
- 『スペース1999』(2009.12.22)
- 『アボンリーへの道』(2009.11.30)
- 『アメリカン・ヒーロー』(2009.10.29)
- 『ジェシカおばさんの事件簿』(2009.09.30)
- 『刑事ナッシュ・ブリッジス』(2009.08.26)
コメント
この記事へのコメントは終了しました。
« アメリカンTVドラマスターからみる人気ファッション FROM USA | トップページ | トークンアジアンをぶっとばせ! »
当時ハマって見ていたダーク・エンジェル懐かしいです。
マックスってキュートな面プラス、アクションもニンジャに
乗るマックスもカッコ良かったなーと。
なぜかシーズン2で打ち切りになってしまって本当に
残念で仕方なかったですね。面白かったのに。。。
アレック役のあの方を知ったのもダーク・エンジェルが
きっかけでしたけど、個人的には現在NCISネイビーにご
出演されているマイケル・ウェザリーさんにハマって見て
ました。ほんと懐かしいです。
またDVDひっぱり出して来て見てみようかな。
投稿: mirry | 2007.09.24 14:50
私もこのドラマ大好きでした!(VHSで持ってます(笑))
第2シーズンで打ち切りになったと知ったときは落ち込みました。。。
キュートで勝気な感じのマックス、冷静なローガン、そして優柔不断なアレックをもう観られないのかと思うと。
でも確かに私的にはよかったこのドラマも、周りの人にはダメだったようで、「観ている」という人はいなかったなぁ。
当時はまっていたアレック役のジェンセン・アクレスは、「スーパー・ナチュラル」でがんばってるようですね。
投稿: miyu | 2007.09.25 00:59
お二人とまったく同じ意見です。
ほんっとに当時は主人とハマってみていました。
どうして、シーズンⅡで終わっちゃったのかな・・・
私的には、ジョシュアが変りもので優しくて好きでした。
みなさん覚えてますか(*^^)v
ジェシカアルバって、とても素敵だな♪
ローガンとはいつ付き合うのかな、、とか色々想像
していました。
ストーリー的にはエイリアスと似ているので、今は
シーズンⅣを楽しみに待っています。
投稿: はづき | 2007.09.29 20:42