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2007.06.13

06~07シーズンの一番はなんといっても『Friday Night Lights』

久々に彗星の如く現れた秀作『Friday Night Lights』は、H. G.ビッシンガーの同名のルポ本をテレビ化したもの。舞台はテキサスの田舎町ディロン、市長から子どもまで町中が夢と希望を託す地元高校のアメフトチームとそれをとりまくムラ社会文化を描く。
 
主人公は、州チャンピオン獲得に導く重責を担う新任コーチのエリック・テイラー(カイル・チャンドラー)。チームが負けると外出もできない「たかがアメフト、されどアメフト」のムラ社会で、しょっぱなから天才的クオーターバックのジェイソン・ストリート(スコット・ポーター)が半身不随になる悲運に見舞われ、次々と挑戦を突きつけられる。選手の特別扱い、進学率の低さ、おおっぴらな人種差別などムラ社会特有の問題に加え、現代人の誰もが体験するステロイドの濫用、親子の亀裂、躁鬱病、依存症、女の自立など様々な問題が選手の私生活に見え隠れする。
コーチを支える芯の強い妻タミー(コニー・ブリットン)は、学校でカウンセラーを勤め、生徒一人ひとりを我が子のように指導する。「妻はいつも正しい」が口癖のコーチは、難問にぶち当たると必ずタミーの意見を聞き、選手を真っ当に指導する。コーチ夫妻のアキレス腱は娘ジュリー(エイミー・ティーガーデン)。箱入り娘が選んだ初恋の相手はクォーターバックのマット・サラセン(ザック・ギルフォード)で、困ったことに相思相愛。いざ娘のこととなると、通常は冷静な夫婦もどう処理してよいかオロオロするのみ。
連続群像劇で登場人物の数は多いが、全員に我が身を見出して共感できること、思いもかけない意外な展開、ドキュメンタリー風のリアルな描写が魅力。原作を遥かに越えるきめ細やかな人間ドラマに仕上がっている。

テレビ評論家は「06年の秀作25本」の7位に票を投じ、NBCが早々と打ち切るのを何とか阻止しようと、あらゆる場を借りて推薦してきた。しかし、近年視聴者の「現実逃避願望」が強いせいか、本作のように題材が地味でリアル過ぎるドラマは人生経験を積んだ大人にしか受けないようで、秀作=視聴率という図式が成り立たない四苦八苦の半年余りだった。
去る4月4日「これほど現代のアメリカをリアルに描いた番組は他に類を見ない」と絶賛され、アメリカ放送界でもっとも権威あるピーボディー賞を受賞した。シーズン1は4月11日に終了したが、ピーボディー受賞から4週間後、NBCは22話でシーズン2を継続すると発表した。

この地味な番組に引き込まれたのは、私が留学時代に体験したアメフトを中心に回るムラ社会文化が如実に描かれていて懐かしいということと、コーチを演じるカイル・チャンドラーのドラマ復帰を待ちわびていたから。
1996~2000年、癒し系ドラマ『Early Edition』で不器用な超真面目ヒーローを演じたチャンドラー。あれ以来、日本でも放映された『弁護士ジャック・ターナー』では珍しい悪役や『グレイズ・アナトミー 恋の解剖学』のゲスト出演、映画『キング・コング』にもちょっとおどけた役で登場したが、毎週顔を拝めると知ったのは昨年5月。指折り数えて、ロサンゼルスの歴史上一番暑かった夜、NBCのパーティーでお目にかかった憧れのチャンドラー。どんな心も溶かしてしまいそうな瞳と全身からあふれでる優しさ、まだこんな古典的ハンサムが存在する!と大感激。しかも、芸能人のおごりなど微塵もなく、好青年を絵に描いたよう。画面から想像したイメージと実物がぴたっと合った至福の瞬間は、一生忘れない。
胸をときめかせて観た『Friday Night Lights』のパイロット(試作版)は、ずっしりと重く、先々ドラマがどう展開していくのかすっかり虜になってしまった。チャンドラーだけでなく、妻役のブリットンもエミー賞を獲得しても不思議ではない。シーズン2も楽しみだ。

ライタープロフィール

Meg Mimura

Meg Mimura
幼い頃から、テレビっ子でした。「わくわく、いきいき、にこにこ」と生きてきたら、たどりついた夢の仕事。テレビ評論家として、面白い番組を選んで紹介したり、番組の創作者、プロデューサー、放送作家、俳優などに舞台裏を語ってもらいます。作品の舞台裏を知ると、もっと番組に興味が湧くのでは? 私にとってテレビは恩師、恋人、親友です。

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コメント

私もDVDを見ました。TVシリーズが有ったんですね。知りませんでした。ところでジェイソンはQBでは無く、RBとしてDVDは出ていましたが・・・・。また半身不随にはなってなく、短大ではプレーをしていた、と。

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